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奥原浩志 監督

1968年生まれ。『ピクニック』がPFFアワード1993で観客賞とキャスティング賞を、『砂漠の民カザック』がPFFアワード1994で録音賞を受賞。99年に製作された『タイムレス・メロディ』では釜山国際映画祭グランプリを受賞した。その後『波』(01)でロッテルダム国際映画祭NetPac Awarを受賞するなど、高い評価を受ける。その他の作品に『青い車』(04)、『16[jyu-roku]』(07)がある。本作品は、5本目の長編劇場作品に当たる。




インタビュー:2012年10月 東京国際映画祭

Q:後半の切ないラブ・ストーリーの展開に感動しました。でも前半の芸術村の部分は、後半とはあまり関係ないエピソードのような気もします。そうした要素を取り入れたのはどんな狙いがあったのですか?
奥原:主要な登場人物が4人と少ないため、チャオピンと黒四角との一見何でもないような関係性を描くことが、その後の1940年代の物語を深めることになると思いました。2人の出会いの場面や、路上で食べている場面があるからこそ、後半が生きてくるのだと思います。

Q:基本的には恋愛映画だと思うのですが、過去のパートを日中戦争の時代にして、日本の軍人を登場させたのは、どんなメッセージを籠めようと思ったのですか。
奥原:それまで本などで読んでいましたが、中国に行ってから、日中戦争に本格的に興味を持つようになりました。最初の段階では死者に関する映画を作るつもりでしたが、中国で日本人が主役で、しかも死者ということから、日本兵という設定にしました。脚本を書き進めるうちに、亡霊と愛は実は同じなのではと思うようになり、そう気付いてからは執筆がはかどりました。

Q 「黒四角」は具体的に何を象徴しているのか?アイディアの発端は?
奥原:物語自体はかなり抽象的で、死んだあとの霊魂と、愛とのふたつをテーマとしました。それらをどう画面に具象として目に見えるものにしていくかを考えた時に、登場する人物たちや黒四角を思いつきました。時代と空間を行き来する物体がどれくらい物語との関わり合いを持つべきか、あまり意味深なものにもしたくなかったですし、あまり抽象的すぎるものにもしたくありませんでした。いろいろ考えた末、チャオピンという男がたまたま見かけた絵が、翌朝、空を見ると飛んでいる、それくらいの関連性で、ひょんなことから始まる感じを表現しました。

Q 現在の日中関係の状況で、本作品は中国で公開されるのでしょうか?
奥原:現在の形だと公開できません。中国では映画が上映される前に撮影・脚本・上映についての審査があるのですが、却下されても何度も申請ができるので、再度申請をしようと動いています。中国にはミニシアターがあるわけではないですし許可が下りたとしても上映できるということではないと思いますが、いずれ中国での上映が可能となるように進めています。


CAST


中泉英雄 黒四角役

1976年12月23日生まれ。愛媛県出身。
2001年、映画『PAIN_ペイン』で主演デビューし、その後、東京国際映画祭・ある視点部門作品賞受賞作品『カミュなんて知らない』(06)に出演。2009年には中国映画『南京!南京!』に出演し、中国内でも注目を浴びる。そのほか『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(08)、『冷たい熱帯魚』(11)、『海猿 BLAVE HEARTS』(12)、『地獄でなぜ悪い』(13)、『はなればなれに』(14)など、多数の映画に出演する。

鈴木美妃 ハナ役

1980年11月17日生まれ。静岡県出身。
子役として幼少期より、数々の舞台、テレビドラマ等に出演。2006年より北京中央戯劇学院に留学、拠点を中国北京に移し現在に至る。国内の代表作は『ワイルド・フラワーズ』(小松隆志監督)。中国での代表作は「蝸居」等、抗日ドラマの枠に囚われず幅広く活躍中である。

陳璽旭(チェン・シーシュウ) チャオピン役

1982年11月生まれ。北京出身。
中央戯劇学院卒業。大学卒業後、舞台役者として小劇場から商業演劇まで幅広く活躍。本作にはオーディションを経て参加。現在、舞台活動を中心としながら、映画、テレビにも広く出演中。

丹紅(ダン・ホン) リーホワ役

1988年12月22日生まれ。北京出身。
中国伝媒大学メディア芸術演技科卒業。大学在学中からテレビドラマ、CM等で活躍。オーディションにより 本作のリーホワ役に抜擢される。

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