インド映画の基礎知識


製作本数は世界一

インド映画の年間製作本数は、2012年の統計によると1,602本。2005年以降はずっと4桁を維持しており、2012年は前年の1,255本から一挙に300本超の増加となった。日本の年間公開本数は554本(2012年)、アメリカが818本(2011年)なので、ダントツの世界一である。

多言語で製作されるインド映画

インド映画の製作本数が多いのは、たくさんの言語で製作されるから。
2012年は35の言語で映画が作られているが、その言語別製作本数は次の通り。

a タミル語(Tamil)・・・・・・・・・・・・・・262本
b テルグ語(Telugu)・・・・・・・・・・・・・256本
c ヒンディー語(Hindi)・・・・・・・・・・221本
d マラヤーラム語(Malayalam)・・・・185本
e カンナダ語(Kannada)・・・・・・・・・・128本
f ベンガル語(Bengali)・・・・・・・・・・123本
g マラーティー語(Marathi)・・・・・・123本
 ボージプリー語(Bhojpuri)・・・・・・87本
i グジャラーティー語(Gujarati)・・72本
j オリヤー語(Oriya)・・・・・・・・・・・・・30本
k パンジャービー語(Punjabi)・・・・・26本
  チャッティースガリー語(Chattisgarhi)・・・20本
m アッサム語(Assamese)・・・・・・・・・・11本
英語(English)・・・・・・・・・・・・・・・・・10本

(他の言語の製作本数は1桁)
計35言語      合計 1,602本

各言語の映画界にスターがいる

上位の3言語は毎年トップ争いをしており、2012年は南インドのタミル語映画とテルグ語映画が、“ボリウッド”と呼ばれるヒンディー語映画を抑えた形になった。200本台の製作本数は、フランス映画(279本)や韓国映画(229本)、イギリス映画(222本)と並ぶ規模である。 この3言語始め、各言語にはそれぞれ映画界があり、スターはもちろん、有名監督やその他のスタッフ、俳優を多数抱えている。スターや監督は言語の壁を越えて活躍することも多く、南インド映画では北インド出身の女優の活躍が目立つ。

各言語の映画の特徴

ボリウッド映画と呼ばれるヒンディー語映画は、インド全土で公開されるのに対し、他の言語の映画は地元の州での公開が中心となる。ボリウッド映画は著名スターを数多く擁し、主として洗練された都会的な作品を送り出している。タミル語映画はパワフルな作品が多く、土着性豊かな娯楽作が多い。今のボリウッド映画に欠けている要素を持つためか、最近のボリウッド映画はタミル語映画のリメイク作品が目立つ。 テルグ語映画は男優を中心にしたスター主義で、時に過激とも言える作品を生み出す。マラヤーラム語映画やベンガル語映画は芸術映画の秀作を多く生み出してきた映画界の伝統を受け、深みのある内容の作品が多くなっている。

タミル語映画界のスター

タミル語映画界には、“スーパースター”と呼ばれる『ムトゥ 踊るマハラジャ』や『ロボット』のラジニカーント、そして“スーパーアクター”と呼ばれる『インドの仕置人』のカマラハーサンが別格的存在として君臨している。彼らに続くのがヴィクラムで、さらにスーリヤ、ヴィジャイが高い人気を獲得している。活発に活動するファンクラブがそれぞれのスターを応援しているのも南インド映画界の特徴で、ヴィクラムにも複数のファンクラブがある。

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