INTRODUCTION


やはり女は強かった!
この映画を見ると、絶対原作を読みたくなるだろう。
わたしもさっそく、読み返しました(笑)。
これはもう、甲乙つけがたいドンデン返しだ。

―― 逢坂 剛(作家)

直木賞作家・逢坂剛の傑作短編に
各国の映画祭で注目を浴びる新鋭監督が更なる逆転劇を加えた
クライム・サスペンスの快作誕生!

ミステリー小説の大家・逢坂剛は、80年「暗殺者グラナダに死す」でオール讀物推理小説新人賞を受賞して鮮烈なデビューを果たし、「カディスの赤い星」で直木賞、日本推理作家協会賞をW受賞。多ジャンルに造詣が深く、国際謀略小説や警察小説、時代小説など次々発表。壮大で巧みな仕掛けが用意された物語で多くのファンを魅了してきた。そんな逢坂の原形を詰め込んだ初期短編集『情状鑑定人』(文春文庫刊)に所収された「都会の野獣」に更なる逆転劇を加え、豪華出演陣で『ナイトピープル』として映画化。
監督を務めたのは、繊細な感情を浮き彫りにする卓越した演出力が各国で絶賛されている新鋭・門井肇。長編デビュー作『棚の隅』がモントリオール国際映画祭に正式招待され、文豪・吉村昭の同名短編小説を原作に死刑囚と刑務官の心の葛藤を描いた『休暇』(07)ではトロント国際映画祭に招待出品、ドバイ国際映画祭コンペティション部門審査員特別賞を受賞するなど、常に高い評価を得てきた。本作では、愛する人の死という過去に縛られる男、突然現れたミステリアスな美貌の女、神出鬼没の不気味な刑事が繰り広げる、強奪された2億円を巡る虚々実々の心理戦を緻密に描く。

予測不能な心理戦×前代未聞の銃撃戦
映画界屈指の実力派俳優たちが壮絶な騙し合いで競演!!

出演は、本谷有希子原作の『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』でとんでもない悪女を熱演してヨコハマ映画祭・主演女優賞を受賞し、『その街のこども』ではリアリティ溢れるデリケートな演技で注目を集めた佐藤江梨子。今作では復讐を果たすため男たちを翻弄する魅惑的な女を見事に演じている。その思惑に気づきながらも女に惹かれていく男を、『容疑者Xの献身』、『怪物くん』、『テルマエ・ロマエ』など数多くの作品で多彩な役柄を演じわけインパクトを残す個性派・北村一輝が好演。そして、多くの監督に支持され出演作が絶えない杉本哲太が、警察の職務を利用してふたりを出し抜こうと画策する狡猾な刑事で凄みを利かせる。さらに脇を固めるのは、日本アカデミー賞をはじめとする名だたる賞を獲得してきた若村麻由美、『SP』シリーズや『AVN/エイリアンVSニンジャ』などで本格アクション俳優として活躍する三元雅芸。実力派俳優たちが壮絶な騙し合いの競演を果たした。

緊迫した駆け引きの応酬に、逢坂作品特有のハードな銃撃描写が随所に織り込まれ、原作にはない思いがけないスリリングな展開とどんでん返しが連続する強烈なクライム・サスペンスがここに誕生した。
誰が嘘をつき、どこからが偽りなのか、観る者を裏切り続ける物語の顛末とは――?

STORY


過去に縛られる男、謎の女、事件を追う刑事
盗まれた2億円をめぐり繰り広げられる裏切りの応酬

街の片隅で営まれるワインバー“Night People”にひとりの女が現われる。知的さと美貌を兼ね備えた彼女の名前は杉野萌子。店のマスター・木村信治は過去に愛した人に似た萌子を雇うことにする。やがて常連客に親しまれるようになった萌子に信治は徐々に惹かれていく。
ある日、萌子につきまとう刑事を名乗る男・曾根が店にやってくる。曾根は不気味な笑みを浮かべながら信治に告げる。3年前、萌子は大石という男と共謀し、大物国会議員から2億円の金を強奪した前科者であると。大石は行方不明で、奪った金はいまだに発見されていない。萌子はその2億円を隠し持っているに違いない……。困惑した信治だったが、「金の在り処は知らない。罪は償ったのに曾根にひどい目に合わされている」と嘆く萌子の言葉を信じ、曾根の暴挙から萌子を守ろうとする。そんな信治に、古いつきあいの花宮慧子はある写真を突きつける。そこには、萌子と曾根が密談している姿が写っていた…。

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