Director


1960年12月20日生まれ。30歳でパリに渡り、路上画家として生計を立てながら、当時公開されていた『羊たちの沈黙』(90)や『ポンヌフの恋人』(91)を観て、映画という映像表現に開眼。帰国後に脚本家としてのキャリアをスタートさせる。96年『鰐(ワニ)』で監督デビュー。2000年の『魚と寝る女』がヴェネチア国際映画祭をはじめ数々の国際映画祭で絶賛され、「世界のキム・ギドク」として注目される存在に。同作は、ギドク映画の日本初上陸となり、熱狂的なファンを獲得した。低予算と短期間撮影をモットーとするギドク映画は、衝撃的なストーリーラインと暴力性から、とかく物議を醸す一方で、新作への期待度も増幅。だが、08年の『悲夢』以降、一時映画界から姿を消す。3年後、隠遁生活を送る自分を撮ったセルフ・ドキュメンタリー『アリラン』を発表。2011年カンヌ国際映画祭ある視点部門最優秀作品賞を獲得し、2004年ベルリン国際映画祭(監督賞『サマリア』)、2004年ヴェネチア国際映画祭(監督賞『うつせみ』)と、世界三大映画祭での受賞という快挙を成し遂げる。続く実験作「アーメン」の後、久々の本格的劇場映画『嘆きのピエタ』が、ヴェネチア国際映画祭で、韓国映画初となる最高賞・金獅子賞に輝いた。その後も、韓国で上映制限された問題作『メビウス』、異色サスペンス『殺されたミンジュ』と健在ぶりを発揮。2015年には、福島原発事故をモチーフにした「STOP」を発表。また、01年設立のキム・ギドク フィルムからは、『映画は映画だ』(08)のチャン・フン、『ビー・デビル』(10)のチャン・チョルス、『ママは娼婦』(11/F)のイ・サンウ、『プンサンケ』(11)のチョン・ジェホン、『俳優は俳優だ』(13)のシン・ヨンシク、『レッド・ファミリー』(13)のイ・ジュヒョンなど、新鋭監督が次々と輩出されている。
FILMOGRAPHY
1996 | 鰐(ワニ) (Crocodile) |
1997 | ワイルド・アニマル (Wild Animals) |
1998 | 悪い女 青い門 (The Birdcage Inn) |
第49回ベルリン国際映画祭パノラマ部門 | |
2000 | 魚と寝る女 (The Isle) |
第57回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門 | |
第19回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭金の大鴉賞(グランプリ) | |
2000 | リアル・フィクション (Real Fiction) |
2001 | 受取人不明 (Address Unknown) |
第58回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門 | |
2001 | 悪い男 (Bad Guy) |
第16回福岡アジア映画祭グランプリ | |
第35回シッチェス・カタロニア国際映画祭オリエント急行賞 | |
2002 | コースト・ガード (The Coast Guard) |
第38回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭FIPRESCI賞・NETPAC賞 | |
2003 | 春夏秋冬そして春(Spring, Summer, Fall, Winter…and Spring) (Crocodile) |
第24回青龍映画賞(韓国)最優秀作品賞 | |
第41回大鐘賞映画祭(韓国)最優秀作品賞 | |
第51回サン・セバスティアン国際映画祭観客賞 | |
2004 | サマリア (Samaritan Girl) |
第54回ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞) | |
2004 | うつせみ (3-Iron) |
第61回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)・FIPRESCI賞 | |
第9回釜山国際映画祭NETPAC賞 | |
2005 | 弓 (The Bow) |
第58回カンヌ国際映画祭<ある視点>部門オープニング作品 | |
2006 | 絶対の愛 (Time) |
第42回シカゴ国際映画祭プラーク賞 | |
第41回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭オープニング作品 | |
2007 | ブレス (Breath) |
第60回カンヌ国際映画祭コンペティション部門 | |
2008 | 悲夢 (Dream) |
第27回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭 オービット・コンペティション・グランプリ |
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第28回韓国映画評論家協会賞監督賞 | |
2011 | アリラン (Arirang) |
第64回カンヌ国際映画祭<ある視点>部門 最優秀作品賞 | |
第12回東京フィルメックスオープニング作品 | |
2011 | アーメン (Amen)(未) |
2012 | 嘆きのピエタ (Pieta) |
第69回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞 | |
第49回大鐘賞 主演女優賞(チョ・ミンス)・審査員特別賞(キム・ギドク) | |
第33回青龍賞 最優秀作品賞 | |
第6回アジア太平洋映画賞審査員大賞(チョ・ミンス) | |
第32回韓国映画評論家協会賞 最優秀作品賞・監督賞(キム・ギドク)・主演女優賞(チョ・ミンス) |
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第13回東京フィルメックス観客賞 | |
第17回サテライト賞外国語映画賞 | |
第9回ドバイ国際映画祭 アジア・アフリカ長編コンペティション部門 最優秀監督賞 | |
2013 | メビウス (moebius) |
第70回ヴェネチア国際映画祭 アウト・オブ・コンペティション部門出品 | |
2014 | 殺されたミンジュ (One on One) |
第71回ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門 オープニング作品・ 同部門作品賞 |
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第15回東京フィルメックス特別招待作品 | |
2015 | Stop (未) |
第50回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門 | |
2016 | The NET 網に囚われた男 (The Net) |
第73回ヴェネチア国際映画祭ネル ジャルディーノ部門 | |
第41回トロント国際映画祭正式出品 | |
第17回東京フィルメックスオープニング作品 |