INTRODUCTION


観る者のアイデンティティを揺さぶる衝撃作!!!
キム・ギドクが放つモラルを超越したサスペンスフルな群像劇

カンヌ、ベルリン、ヴェネチア、世界三大映画祭を制した奇才キム・キドク。ここ数年は取り憑かれたように新作を発表し続け強烈な個性を発揮している。それぞれのテーマは異なるが、通底しているのは、私たちに不条理を強いる世の中へのシニカルな社会風刺である。
『嘆きのピエタ』(12)、『メビウス』(13)などでは、人間の恥部をさらけ出すような生と性を生々しく描き、独自の美学を貫く問題作を発表してきた同監督、長編20作目となる本作は個人のアイデンティティを揺るがす濃密な群像サスペンスだ。 少女殺人事件をめぐり、捕らえられた男たちと武装した集団が繰り広げるスリリングな展開は、どんな人間でも加害者にも被害者にもなりうることを示唆し、それぞれの立場で抱える嘆きや闇を痛いほどに映し出す。本当の犯人とは?そして、本当に殺されたものとは?

少女殺人事件の容疑者たちと、夜の街に蠢く謎の集団―― 彼らの目的とは…。

ある夜、女子高生が男たちに無残に殺害された。しばらく後、事件に関わった一人の男が武装した七人組の謎の集団に誘拐される。集団は男を拷問し、自分が起こした事の告白を強要する。やがてその集団は事件に関わった男たちをひとり、またひとりと誘拐してゆく…。残酷な少女の死で幕を開ける本作は、観ているこちらが鈍器で殴られているかのような衝撃の展開を見せる。そして物語は、容疑者たちの証言により思わぬ方向へと進んでいく。複雑な心情を抱える謎の集団のリーダーを演じたのは『悪いやつら』(13)のマ・ドンソク。『春夏秋冬そして春』(03)以来11年ぶりにキム・ギドク作品に出演のキム・ヨンミンが熱演する一人8役も見どころ。

STORY




とある5月、ソウル市内の市場を必死に逃げ惑う女子高生、彼女を追う屈強な男たちがいた。彼女の名はミンジュ。
ミンジュは次第に追い詰められ、そして路地の片隅で顔にテープを巻かれ、叫ぶ間もなく無残に殺された。新聞の小さな記事にも載らず、その事件は誰にも知られることもなく闇から闇に葬りさられた。ソウルの街は少女の死を呑み込み、人々は何もなかったかのように通りを行き交うのであった。
ミンジュは何故殺されたのか、それを問う人もいない。しかし、事件から1年たった頃、平穏を装うこの街のなかで、ミンジュの死の真相を執拗に追いかける謎の集団が、暗闇の中で不気味に動き始める。
ミンジュ殺害に関わったのは7人の男たち。謎の集団は、そのうちの一人を誘拐して、拷問を加え「去年の5月9日を覚えているか、その日何をした…」と執拗に問いただす。
恐怖と自責の念に襲われた容疑者は、全面的に自白して許しを請うのだった。謎の集団は変幻自在に変装して一人、また一人と誘拐して、自白を強要する。
それぞれの立場から語られる証言により、事件の背後に潜む闇が明らかになっていく…。

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