コメント


※順不同・敬称略

仲代達矢 (俳優)

原稿用紙の一升一升を埋めてゆく、あの佐藤さんの個性のある文字を眺めていると、広大無辺の大海原に漕ぎ出してゆく無垢な小舟のような印象を持つ。行く宛も定まらず、深い海に怯えながらも、「ペン」という櫂を握って放さない―
―その静謐の中に滾る思いは、「名声」の光など届かぬ暗い海の奈落が知っていれば、それでじゅうぶんかもしれない。
しみじみと、そう語りかけてくれる映画である。

加藤登紀子 (歌手)

佐藤泰志の母役で出演させて頂きました。青函連絡船で内地のお米を数十キロも担いで運ぶ担ぎ屋さん。雪の中でのロケで感じたのは、しっかりと命の重さを体で感じている喜びのようなもの。それは彼の小説に描かれる群像たちの、言い知れぬ命の軽さとの対極にあると思いました。これは日本の急激な世相の変化でもあり、この世代の作家としての苦悩なのかもしれません。
彼の小説は今の人たちの感性に真っ直ぐ響くのではないでしょうか?

青来有一 (作家)

佐藤泰志の「市街戦のジャズメン」を読んだとき、「あつ!」と叫んでいた。
なんという言葉の輝きか。十代でこれほどまでの早熟な才能を示した作家をわたしは多くは知らない。

呉美保 (映画監督「そこのみにて光輝く」他)

立候補なんかしていないのに。持ち上げられては落とされる。
それが五度も続いたのだから。ひとが、ひとを、評価する。
その残酷さを知った。

村上新悟 (俳優)

撮影で行く先々で泰志さんの息吹を感じ、不器用だけれども、書く事に対しての混じり気のない信念みたいなものが、僕の身体の中に染み込んでくるような感覚がありました。

西堀滋樹 (元 同人)

泰志が万年筆で書き続けた筆圧ある文字は原稿用紙を
強く深くえぐった。
だが、書けば書くほど、自らの命を削っていたかのようであった。

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