INTRODUCTION


荒涼としたテキサスの大地に生きる男女の罪を
壮大な映像美で綴った悲劇的な愛の物語。

舞台は1970年代のテキサス。窃盗・強盗を繰り返す一組のカップル、ボブ・マルドゥーン(ケイシー・アフレック)とルース・ガスリー(ルーニー・マーラ)。ルースの体に新しい命が芽生えたことをきっかけに、この強盗を最後に真っ当な人生を歩もうとしていた二人だったが、ついに警察に逮捕されてしまう。ルースの身代わりに刑務所行きになったボブは、ルースが娘を出産したことを知り、まだ見ぬ娘に会うため脱獄を企てる。警察からも追われ、その上、かつて裏切り決別した組織からも追われるボブ、ボブを待ちながら大事な娘をひとり育てるルース、陰でルースを見守りひそかな恋心を抱く地元保安官パトリック(ベン・フォスター)。3人のそれぞれの想いが交錯する時、美しくも切ない結末が待っていた…。

バラエティ誌「注目監督10人」に選ばれた気鋭の若手監督
数々の映画賞を受賞した大傑作が満を持して遂に日本公開決定!

監督は、バラエティ誌2013年の「注目監督10人(10 Directors to Watch)」の一人として選出されたデヴィッド・ロウリー。本作は長編映画のキャリアとしては『St.Nick』(09/日本未公開) を経て待望の二作目。2013年のサンダンス映画祭ではプレミア上映、撮影賞を受賞し、2013年カンヌ国際映画祭 正式出品、2013年ナショナル・ボード・オブ・レビュー インディーズ映画トップ10、第23回ゴッサム・インディペンデント映画賞 作品賞ノミネートなど、数々の映画賞を受賞・ノミネート。やりなおすことのできない過去と罪に追われる男たちの運命を描いた『ミスティック・リバー』、そして崇高な愛の叙事詩『トゥ・ザ・ワンダー』を融合させたような大傑作と評された今作が、満を持して遂に日本公開決定となりました。

もうひとつのボニー&クライドの、別の旅路。

現代版の『俺たちに明日はない』との呼び声高い本作。衝撃的な銃撃シーンの末に幕を閉じた、実在の銀行強盗ボニー・パーカーとクライド・バロウを元にした物語だが、もしあの二人に明日があったら、子供がいたら、きっとこんな生き方をしていたかもしれないと、心揺さぶる感動作になっている。 監督自身は、ロバート・アルトマン監督の大ファンで、『ギャンブラー』(71)、 『ボーイ&キーチ』(74)等の影響を多分に受けており、かつテレンス・マリック監督のデビュー作『地獄の逃避行』(73)や、『俺たちに明日はない』(67)で描かれているようなかつてのアメリカ社会の悲劇的結末を踏襲しながらも、撃たれ続ける暴力的なエンディングは避けたと語る。

アカデミー賞ノミネート俳優の、夢の共演!
ルーニーは初の母親役を熱演、実力派の二人が脚本を読み出演を即決

主演は、『ソーシャル・ネットワーク』(デヴィッド・フィンチャー監督/10)で注目を浴び、『ドラゴン・タトゥーの女』(デヴィッド・フィンチャー監督/11)ではアカデミー主演女優賞にノミネートされたルーニー・マーラ。スティーヴン・ソダーバーグ、スパイク・ジョーンズ、スティーヴン・ダルドリー、テレンス・マリックなど多くの名監督たちの目にとまり出演作が目白押しの、注目の若手女優の最新作はなんと自身初の母親役。母性溢れる聖母マリアのような存在は切ないほどに美しく、類まれな演技力を存分に発揮し、彼女のベストアクトと評された。 共演に、『ジェシー・ジェームズの暗殺』(アンドリュー・ドミニク監督/08)でブラッド・ピットと共演し、ナショナル・ボード・オブ・レビュー助演男優賞、全米批評家協会賞 助演男優賞、サンフランシスコ映画批評家協会賞 助演男優賞を受賞し、アカデミー助演男優賞にもノミネートされたケイシー・アフレック。共にアカデミー賞ノミネート歴を持つ実力派の二人が、脚本を読んで出演を即決し、夢の共演が実現した。

『ナッシュビル』(ロバート・アルトマン監督/75)でアカデミー歌曲賞、
ゴールデングローブ主題歌賞を受賞するキース・キャラダインの歌が沁みる

本作のエンディング曲は、『ナッシュビル』(ロバート・アルトマン監督/75)でアカデミー歌曲賞、ゴールデングローブ主題歌賞の受賞歴のあるキース・キャラダインの演奏によるもの。現在は舞台や劇場の出演が多いキースだが、2013年はトニー賞のミュージカル助演男優賞にノミネートされている。「君が消えた今 光も消えた 君はいつ戻る」。往年の名優キースの渋い歌声が本作のエンドロールに、もの悲しい色を添える。

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