STORY


離れ離れになった男女の、約束の果て―。
心に秘め、擦り切れながらも追い求めた本当の「愛」とは…。

ルース(ルーニー・マーラ)はボブ(ケイシー・アフレック)のもとを離れ、実家へ戻ろうとしていた。「掘っ立て小屋や盗みだけの生活じゃない、まともな生活をしたい」そう呟いた彼女のお腹には、新しい命が宿っていたのだった。子を身籠った女として蔑まれ、この二人の関係が終わるであろう不安に満ちた顔。そんな不安のなか、子どもが出来たことを告げるとボブは「愛してる」と、何度も何度も言った。二人は新しい生活への一歩を踏み出そうとしていた。この仕事が済んだらきっと。
片田舎の銀行強盗はいつもの通り簡単に済むはずだった。テキサスの穏やかな空気を、包囲した保安官たちの銃声がつんざく。負けじと応戦するボブとルース、そして床に倒れた仲間は死んだ。ルースの放った一発の銃弾が若い保安官・パトリック(ベン・フォスター)の肩に命中した。「当たってしまった。もうおしまいだ」。ボブはまだ硝煙が上がったばかりのルースの銃を取って、指紋をふき取りながら言う。「おれが撃ったんだ。投降しよう。お前はなにも知らなかったと言え。きっとおれは帰ってくるから」。世間を賑わした強盗事件はこうして幕を下ろした。

4年が経った。事情聴取の末に無罪放免となっていた彼女は、まだ小さな娘を胸に抱え教会に通う。産まれたのが女の子だと、塀の中で聞いたボブ。ルースへの愛を綴った手紙に返事は無い。ルースはただただ、この小さな命を消さぬよう大事に育てている。そんな中、娘と二人で住む家に現れたのは、過去にルースが撃った保安官・パトリックだった。「ボブが脱獄したよ」。ボブがここに戻ってくるのではという疑心を持って扉を開けるも、彼女へのひそやかな好意は隠し切れない。ルースも気付いているのだ、教会での些細な視線の交差によって。

保安官たちの捜索はつづく。一方ボブは、ルースとまだ見ぬ娘のもとを目指し、暗闇のなかを進み、無賃乗車やヒッチハイクを繰り返し、急ぎ足だ。昔の仲間の家に転がり込むと、向かったのはなんの目印もないテキサス然とした荒地。掘ると出てくる大金の山。過去の仲間を裏切り隠していた金だ。「この金でルースと娘と旅に出て、新しい土地に家を買ってやりなおすんだ」。その想いは、ボブとルースの育ての親であり、ボブが刑務所にいる間にルースと娘に家を買い与えて本当の親のように見守っていたスケリット(キース・キャラダイン)にとっては、なんとしても許せないことだった。「自由を得た、それだけで満足だろ。ルースには会わず、この土地を去れ。ルースや娘を厄介事に巻き込むようなことがあったら、お前を殺すぞ」。裏稼業をもつスケリットの店には、すでにボブを狙った殺し屋が何人か来ていたのだった…。背中から忍び寄る過去の罪、そして新たに重ねられる罪。ボブはルースに手紙を書いた。「今夜、出発しよう」。

警察から、そしてかつて裏切り決別した組織からも追われるボブ、ボブを待ちながら大事な娘をひとり育てるルース、陰でルースを見守りひそかな恋心を抱く地元保安官パトリック。3人のそれぞれの想いが交錯する時、美しくも切ない結末が待っていた・・・。

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